<写真>
<地図>
<碑文>
藤田勇市翁頌徳碑
島根県知事 田部長右衛門書
藤田勇市翁は明治十四年三月二十三日熊野村矢谷部落に生まれ資性
俊敏事に当り熟慮断行ひたすら郷土のために熱誠を捧げて居られる
徳行の士である
明治三十九年熊野村収入役に就任爾来村長長沢儀太郎翁を敬慕して
その薫化を受けること多大王誠を信条とし夙夜精励し大正七年推さ
れて助役に任し昭和十五年長沢村長の退任により村長に選ばれ昭和
二十一年退職されるまで役場在勤四十有余年身を挺して誠心誠意村
治に力を尽くし輝かしい功績を挙げられた昭和三十四年には合併後
の八雲村議会議長に就任し新しい村作りにさらに一段の努力をされ
たのである一方幾多の公共団体に関与して本年八十三歳の高齢に至
るまで一途に愛郷心に燃えて公事に尽瘁せられた就中酪農の振興環
境衛生の整備全村一斉の電灯の設備熊野大社の御造営財団法人長沢
報徳会の設立等は翁が特に心血を注がれた大事業であったこれら多
くの功績に対して表彰状感謝状を受けられたこと幾十回に及び昭和
三十一年には藍綬褒章受章の光栄に浴されたのである
昭和三十八年一切の公職を退かれるに当り有志相計り翁の徳行を頌
えその功績を永く後世に伝えるためにここに建碑に及んだ次第であ
る
昭和三十八年十月
勲五等瑞宝章
昭和三十九年四月二十九日終戦後初めて生存者に対する叙勲が行な
われ全国二百一名の中に列し本県においては唯一人藤田翁が自治功
労者として頭書の光栄に浴せられたのでここに添刻に及んだ
<建立>
昭和38年(1963年)10月建立(碑文より)
コメント